出発

母から届いたLINEには画像と共に「これは置いていくもの?」という言葉が添えられていました。

 

 

化粧ポーチ、あんたなんでまだ家にいるの…

 

 

普段から忘れ物が多いわたしですが、さすがに1年くらい旅行するってときは忘れないように気を配ります。しかし気を配った結果忘れました。慣れないことはするものではないですね。

 

別にわたしだって自分が旅行中毎日ばっちりメイクするとは思いません。キラキラした旅がしたいわけでもない。でもやっぱりメイクをするとテンションも上がるし、たまには目の上とか下とかキラキラさせたい日があるんですよ。サンブロックにファンデーション、絶対に外せないアイブロウとチークにたまに使いたいキラキラアイシャドウ、考え抜いて選抜したんですよ。どれを持っていくか考えるその時間も楽しかった。

 

それなのに考え抜いた結果、忘れたんですけど。

 

 

別に化粧品なんてどこでも買えるんですけどね、初日からのっぺらぼうはどうなの?って感じじゃないですか。他人から見たらどうでもいいことかもしれないけど、これはもう実際に旅するわたしのモチベーションに関わることだったんです。

 

使用期限とか考えて全部新品にしてたしさ、また全部揃えるのいきなり出費がかさむしさ、なんならもうイミグレ通っちゃってるからハイブランドかドラッグストアにある限られたアイテムからしか選べないという。そもそもわたしハイブランドコスメ使ったことなかったのでまず選択肢にすら入らなかったんですけどね。

ひとまず優先度の高いものだけ空港で購入して必要性があったら、現地で購入していくことにしました。

 

わたしはもともと色黒ではあるんですがさらに非常に太陽を吸収しやすい肌なので、将来の自分のためにも日焼け対策の優先度が高いということで、結局SPF50++++の日焼け止め2つと日焼け止め効果もあるパウダー、これだけは譲れないと思っているアイブロウペンシルを購入しました。深夜便だったのであと少し母からのLINEが遅かったらお店は開いておらずそれすらも買えなかったと思うと、買えてよかったです。

 

 なんとも格好がつかない、けどわたしらしい出発になりました。

 

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この写真を撮っているときはまだ化粧ポーチを忘れていることを知りませんでした

 

 

出発前

最後の出勤から出発までは1週間。もう少し余裕を持たせればよかったかなという気もするし、わたしの性格上これくらい追われたスケジュールだったからこそ旅立てた気もするので何とも言えません。

 

それでも退職することが決まってから1年働いているので、出発するまではたっぷり1年ありました。さぞかし入念に準備が出来たかと思いきや、全く進まない。

まず仕事が忙しかった。休みの日も終わらなかった仕事をして自宅に少しずつ荷物を運んで、としているとあっという間に一日が終わってしまう。もう働きながら準備は無理かななんて考えていて、絶対に必要なバックパックも結構ギリギリに買った気がする。そんなこんなで最後の出勤日の翌日に予定していた引っ越しすら間に合いそうもなく、前々日に母親を急遽召喚してわたしが働いている間に片づけをお願いし、退勤してから引っ越しの当日まで徹夜で部屋を掃除して慌ただしく退去。

 

もうこの時点で時間がない!とか言いつつもバッタバタでもなんとかなった謎の達成感と仕事を辞めた解放感と実家の安心感に気持ちが良くなり、ビール飲んでぐーたらして全然パッキングがすすまない。すすまないというか始まらない。

「やんなきゃねー」なんて言いつつも口だけで全く動きださないわたしに、母がしびれを切らして「いい加減にしなさい!本当に行くんでしょ!」と雷を落とす始末。いい大人が恥ずかしい…

 

母にお尻を叩いてもらいながら、最後まであれが足りないこれが足りないと家と100均とを何度も往復して、結局バタバタと家を出ることになってしまいました。ちなみに父は仕事の合間に顔を見に来てくれ(朝寝ていて会ってない)たのに対し、母は家にいたのに頼み込んでやっと駅まで見送りに来てくれました。駅すぐそこなのに…!

 

 

両親ともに心配はあったと思いますが、わたしに何か直接心配の声を掛けてくることはありませんでした。(あったかもしれないけど記憶にはない)

自分のやりたいことをやりなさいと普段から言ってくれていた家族だからこそ、わたしも「仕事辞めてバックパッカーやってくるわ」って言うことが出来たし、その返事が「ついにこの日が来たね」だったんだと思います。愉快な家族です。

 

そんなことを考えたり、友人たちとLINEしたりしている間に空港へ到着。チェックインも済ませてひたすら搭乗まで時間を潰し…たかったです。母から送られてきたLINEを見てわたしは絶望するのでした。(言い過ぎ?)

 

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職場の人にも快く送り出してもらい感謝でした

 

はばたきたい!

今はもう帰国していますが、大学を卒業し5年就業したのち念願のバックパッカーとなり旅していた期間があります。わたしにとってはとても大切な時間で、なくてはならなかった時間です。

 

ただわたしにとっては大切で必要だった時間も、他人からすれば「遊んでただけでしょ?」と思われる時間でもあるかなとも思っていて(卑屈)、帰国当初はあんまり自分から進んで発信することはなかったんですが、どこからか情報というものは漏れ伝わるものです。「海外行ってたんでしょ?どこ行ってたの?」と質問されることが度々あり…何で知ってるの!?と驚きつつも「仕事を辞めていろんな国に行っていました」と答えると、ありがたいことに好意的に受け取ってくれる方ばかりか「もっと聞かせて!」と嬉しいお願いをしてくれる方もいます。その中でも、顔を合わせるたびに「本は書かないの?」「文字に起こしてよ、絶対に読むから」と毎回、声を掛けてくださる方がいらっしゃいました。

興味もあったし、旅中に日記は毎日(ということにしておく)つけていたけど、果たして他人が読んで面白いものなのかずっと疑問でした。自分で読み返す分には超絶面白いけど、それはわたしが自分の旅の面白さを知っているからこそ、な気がして。誰かに共有したい気持ちもあるけど尻込みしていました。

それに、休みさえあれば・パスポートさえあればいつでもどこへにでも行けるし、わたしの旅の記録はこれからもどんどん更新されていくって気持ちもあって、まあ時間が出来たら文字に起こすのもいいかなーなんて思っていました。でもCOVID-19によってその考えは覆ります。行きたいのにどこにも行けない、日々顔を合わせるのは職場の人だけ。

えーーー、息詰まるーーー!分かってはいたけど行きたいときにに行きたいところに行って、知らないたくさんの人と出会って別れてを繰り返す、やっぱりあの旅が好きだったんだよーーー!もう他人が面白いかどうか関係ない!自分のメンタルヘルスのために旅を振り返って楽しい気持ちになろう!時間は有り余ってる、簡単にできる、ブログはじめようと思ってはじめてみました。

 

 

わたしに旅の記録を文字に起こすことをすすめてくれた方には残念ながらお会いすることも、このブログの存在をお伝えすることもできないのですが、少し卑屈に考えていたわたしの心をほぐしてくれた存在があったように、このブログが誰かの目に留まり心和む時間になったら嬉しいです。

 

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